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「出張や旅行から帰ってきたら、経験してきたことを同僚や家族に共有することがとても大事」と児玉にいつも言われます。自分が経験したことを、他人にあたかもその場にいたかのように疑似体験してもらうためには、その空気感から匂いまで細部まで思い出して言語化し、丁寧に、かつ極めて立体的に、熱量と共に伝える必要があります。なかなか難しいですが、そうやって様々な出来事を(疑似)体験してもらうことができれば、私たちの経験がみんなの経験になるはず。
そんな疑似体験の創出に励む私たちの日々に、強力な助っ人が登場しました。ChatGPT(Large Language Modelと呼ばれる、人間のように自然な会話ができるAI)です。今回は、ChatGPTに表現方法の壁打ちを手伝ってもらいながら、2023年3月に出張で訪れたオーストラリアでの体験の一部を、みなさまに疑似体験していただきます。
オーストラリアのフュージョン料理
「オーストラリア料理」と聞いて、具体的な料理のイメージがぱっと浮かぶ方はどのくらいいるでしょうか?私は、オーストラリア料理といえば、「ジビエたくさん」「ローズマリーたくさん」「オージービーフの肉塊」のような漠然としたイメージしかありませんでした。
しかし、実際に地元のレストランに足を運ぶと、現実とイメージとの乖離に反省することばかり。とにかく、全てが信じられないくらい美味しい!数々のカフェやレストランを訪れましたが、一度もがっかりすることはなかったどころか、すべての食事に感激することになりました。オーストラリアの食文化は、日本と同じかそれ以上の水準にあり、とても洗練されていることに驚きました。食べたことのないような複雑な味の構成が多く「え、なにこれ。美味しすぎる!」という感じです。
その複雑で多様なカルチャーが織りなす料理は「フュージョン料理」と呼ばれています。オーストラリアは、イギリスの植民地時代から多くの移民を受け入れ、アジアやヨーロッパ、太平洋諸国からさまざまな文化が集まりました。それらの文化が交流し合い、食の世界でも独自の発展を遂げたのです。
フュージョン料理を疑似体験していただくために、私が訪れた2つのレストランと、そこでの忘れられない体験についてご紹介します。まずは、タスマニア(オーストラリア大陸の南に位置する北海道のような島)の現代美術館「MoNA」内にある「The Source」というレストラン。
「The Source」は、タスマニアの島で収穫した食材をふんだんに使ったオーストラリアフュージョンが堪能できます。大きな窓の外にはユーカリでしょうか、美しいガーデンが広がり、オリジナルワインを作るために栽培されている、ぶどうの樹が丘の起伏に沿ってキレイに並んでいます。
私はそのお店で出てきた「CAULIFLOWER(カリフラワー)」という料理が忘れられません。カリフラワーを主役にしたプレートは初体験です。
これが、なんとも言えない複雑な味で、色々な食感の中に、酸味も、甘みも、塩味もあって、何口食べてもなかなかその味を定義できない一品なのです。でも、美味しいのは間違いなくて「なんだろう?なんだろう?」と感激している間に、食べ終わってしまいます。
この「CAULIFLOWER(カリフラワー)」の説明には「バターミルクで揚げたカリフラワーに、アーモンドクリームと、タヒニソース(すりゴマのペースト)、ザクロと焦がしハチミツのソース、膨らんだお米と、ガーリックチップス」とあります。
まず、一口食べて、アジア料理のようなゴマの香りを感じたと思ったら、ザクロの酸味と、香ばしい焦がしハチミツの甘みが追いかけてきます。さらに、アーモンドクリームの豊かでリッチな食感、パリパリでホクホクなカリフラワー、乾燥させたガーリックと揚げて膨らませたお米の食感が混ざり、頭を混乱させます。とにかく、本当に美味しい。
このように複雑な味がするフュージョン感は、このレストランが特別なわけではなく、オーストラリアのどこでなにを食べても頻繁に遭遇します。
フュージョン料理のもうひとつの例として、タスマニアで宿泊したMACq01というホテルでの朝食もご紹介します。私はホテルの朝ごはんらしいものを頼もうとして「Baked Eggs(ベイクドエッグ)」を頼みました。価格もAUS$20(1700円くらい)だったので、一般的なエッグベネディクトのようなものが来ることを想像していました。
しかし、料理が運ばれてきてびっくり。どこにも卵が見えません。サワードゥという発酵させた酸っぱいトーストの上に、アボカドと大きなソーセージ、手のひらくらいある平べったいマッシュルームが乗っていて、その隣の熱々のグラタン皿に、何やらトマトソースのようなものが乗っていました。
説明には「放し飼いの鶏の卵、煮込んだトマト、焼きパプリカ、揚げたひよこ豆、ヤギのチーズ、グリルしたピクルスとピーマン、サワードゥにアボカド・ソーセージ・マッシュルームトッピング」と書かれています。
このトマトの煮込みを一口スプーンで食べてびっくり。ちょっとピリ辛で、メキシカンな味がしたとおもったら、中から半熟卵が現れ、ヤギのチーズでリッチな食感が加わり、そこにカリカリに揚がったひよこ豆と野菜の食感と香ばしい香りがやってきます。私の軽率な期待はここでも見事に裏切られ、脱帽しました。
未知の味を楽しめるフュージョン料理、少しは疑似体験していただけたでしょうか?1週間こちらにいて、さぞ日本食が恋しくなるかと思いきや、どこに行ってもその複雑で洗練された創作に感激し続け、結局一度も日本食を恋しく思うことなく帰国しました。
オーストラリアはワインも最高ですので、美味しいものに目がない方はその豊かな食文化を是非一度体験していただきたいです。
シドニーの最先端ホテル
〜ガイドブック未掲載のミニマルで機能的な宿泊空間〜
シドニーのCBD(Central Business Districtの略で、中心地のこと)に位置するWynyard駅の真上にある、最新ホテル「Little National Hotel Sydney」での数日間は、まるでシドニーのライフスタイルに溶け込むかのような特別な体験でした。
このホテルは、シドニー有数のターミナル駅であるWynyard駅の真上にあり、アクセスも駅構内からエスカレーターですぐ。シドニーの様々な観光スポットへのアクセスがとても便利です。シドニー湾屈指のフェリー乗り場であるサーキュラーキーや、かの有名なオペラハウスへも、市電(Light Rail)で数分。近くにはコロニアル様式の歴史を感じさせる素晴らしい建物が多く、探索するのがとても楽しいエリアです。古くからあるショッピングアーケードや有名レストラン、老舗のカフェも充実していて、まさに、シドニーの魅力を存分に楽しむことができる最高の場所にあります。
ここは、オーストラリア屈指の不動産開発グループであるDomaが「手ごろな価格で提供するラグジュアリーホスピタリティ」がコンセプト。名前にもあるように「リトル」でミニマルなホテルでした。
部屋には幅いっぱいの特注キングベッド。高速インターネットはもちろん、Samsung製スマートテレビ、部屋とバスルームの天井に埋め込まれたBluetoothスピーカー、これらの機材を操作するためのiPadなどが機能的に配置されています。スマートテレビには自分のスマートフォンを接続することができて、NetflixやYouTubeなど、普段から楽しんでいるコンテンツを大画面で楽しむことができます。
掃除は完璧で、すべてがとても清潔。防音も遮光も素晴らしく、自動ブラインドを下げるとしっかり熟睡することができます。照明や空調はもちろん、カーテンやブラインドもすべてパネルで操作するハイテク部屋で使い勝手は最高。
シャワースペースも、コンパクトであるにも関わらず、シンクの下には機能的な収納スペースがあったり、現代的なミニマルさが感じられます。日本に帰ったら参考にしたくなるような工夫もたくさんあって、楽しかったです。とても快適なステイができました。
そして、各部屋が小さい分、シェアスペースが驚くほど充実しています。まさに現代の生活様式を体現するような造り。部屋で必要にして十分なプライベート空間を提供しつつ、日中は広くて快適なシェアスペースで充実した時間を過ごすことができます。
最上階にあるワークスペースには、ビデオ会議が一切のストレスなく使える高速インターネット、プリンターなどのビジネスツールもちゃんと揃っていて、各席にはコンセントとUSB電源が完備。開放的なテラス席もあり、1日ここで仕事をする分には、まったくストレスがありません。
ワークスペースの隣には、終日コーヒーや軽食を提供しているカフェバーと、気分転換に最適な広々としたソファラウンジがあり、仕事の合間にちょっと休憩することができます。
ホテル内にあるHale Gymでは、最新鋭のテクノジム社製の器具が揃っていて、アプリでは混雑状況を確認できる最先端っぷり。見たこともない様な最新のマシンで、様々なエクササイズを行うことができます。ミネラルウォーターやタオルも用意されていて、24時間いつでも無料で利用可能。チームメンバーみんなで毎晩運動を楽しみました。
シドニーの中心地にある駅の上に位置していて、エレベーターを降りればすぐにアクティブな市街にアクセスできる抜群の立地にありながら、中はミニマルで静か。洗練された機能的な宿泊空間と、開放的なシェアスペースをうまく使い分けることができる、現代風なコンセプトのホテルを疑似体験していただけましたでしょうか。
ローカルな老舗薬局
シドニーには数多くの観光名所がありますが、「ローカルな薬局」も引けを取らず、素晴らしい発見がある場所です。ここでは、シドニーで見つけた老舗薬局を訪れた体験をシェアしたいと思います。
薬局が素晴らしいのは、ユニークなお土産を探すのにピッタリだから。リップやハンドクリーム、歯磨き粉や石鹸、オーガニックなグミやお菓子など、手頃な価格で買えるローカル商品が豊富で、日本ではなかなか手に入らない、喜んでもらえそうなギフトが見つかります。なかでも、ここでご紹介するような歴史のある老舗薬局は、本当にそこでしか販売していない特別な商品が充実しています。
Google Mapで「Pharmacy(薬局)」と検索すると「EST. 1885(創業1885年)」の歴史ある薬局を見つけました。さっそく歩いて行ってみると、お店はコンビニくらいのコンパクトな大きさで、雰囲気のある店構えの、まさに理想のザ・ローカル薬局。
店内に入った瞬間に、複雑でハーバルな香りが広がっていて、シドニーの中心にいながらも、オーストラリアの自然を感じることができました。店内に並んでいる商品は、厳選されたオーガニック製品ばかりで、センスの良い店主が丁寧に選んだと思われるセレクションが目を引きます。
奥に進むと、調剤室前には、オリジナル商品がたくさん並んでいました。各種ハーブやオーガニックオイルなど、ナチュラルな材料のみで作られた化粧品、クレイや洋服用洗剤などが所狭しに整然と陳列されています。聞くと、これらは全てこの薬局がオリジナルで調合して作っているそうです。こういうのを求めていました。
すべての商品に、どんなハーブや成分が調合されているかが丁寧に記されており、良い原料を使っていることがすぐにわかります。種類がとても豊富なので、じっくり探せば、必ず自分に合うものが見つかりそう。洗練された原材料を使っているのに、オリジナル製品だからか大手ブランド品よりだいぶお手頃なので、お土産としてもいくつか購入できそうです。
このように、現地の老舗薬局にはたくさんのお宝が並んでいるので、ぜひチェックしてみてください。
ちなみに、以下はおまけですが、ニューヨークにも私のお気に入りの老舗薬局があります。
「C.O.BIGELOW」という1838年創業のアメリカ最古の薬局で、リップクリームやハンドクリームなど、自ら開発しているオリジナル商品がたくさんあります。どれも使い勝手が抜群で、ニューヨークに行くたびに大量に買っています。
まとめ
今回はオーストラリアの旅行記をなるべく、皆さまに疑似体験していただけるように書いてみましたが、いかがでしたでしょうか。冒頭でも少し触れましたが、この記事を書くにあたって、いま話題のLLMであるChatGPTが一切の疲れをみせることなく、何時間でも私との対話に付き合ってくれたことに、心から感謝しています。このような、ChatGPTの使い方についてはもう少し研究してから来月以降の記事でご紹介したいと思います。乞うご期待ください!G’day!